ウチダリナ　一日目

一日目のテーマ「引っ越してきたあなたと暮らしについて」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「お前さんは、どんな活動をしているのかな？」　　　　　　現在はアーティストとして活動しています。主に蛾を作品のモチーフとしています。　　　　　すみだ向島EXPOでは住みながら作った彫刻を何点か置いています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「墨田区に越して来る前はどのような暮らしをしてたのかい」　　　　　隅田に来る前は浅草でシェアアトリエをしていました。浅草の雰囲気が苦手で引っ越してきました。今の町は、人の出入りが多く、幅広い区画での交流があり、面白い人がたくさん住んでいます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「ここで暮らしてみて不便に思ったことはあるかい？」　　　　　特別ありません！ホームセンターがたくさんあるので満足です。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 北斎「隣人との関係はどんな感じかな？」　　　　　挨拶をして、メダカの話をします。　　　　　私が住んでいる通りの人はみんな顔見知りで、よくコミュニケーションしています。　　　　　以前の浅草の街ではなかったような関係がたくさんあります。近所にすむアーティスト達も、商店街ですれ違ったりします。そうするとすごく明るい気持ちになります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「隣人とのエピソードがあれば教えてくれ」　　　　　メダカの品評会が家の前で頻繁に行われます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「引っ越しにまつわる何か面白い話を聞かせてくれないかな？」　　　　　　ちゃんとした引越しをしたことがなかったので、そのとき一番重要に思っていた「睡眠」を優先しました。勢いで綺麗なマットレスだけ買いました。マットレスは20kgあるし、この長屋のボロついた階段を数段上がるのは相当大変でした。敷いたはいいものの、この家にマットレスしかない状況は異様でした。前の人の暮らしと地続きの暮らしが始まりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「日々の暮らしの中で起きた何か面白い話を聞かせてくれないかな？」　　　　　近所の建具屋さんにいただいた水草にメダカの卵がついていて、家の前の水瓶にメダカがいる風景が始まりました。いまではおすそ分けした子供が近所の家にたくさん住んでいます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北斎「暮らしで一番大事なものは何かな？」　　　　　日々の気持ちの安定ではないでしょうか。　　　　　以前と違い、落ち着いて考える時間が増えました。